V-Ray GPU 6.21 での新しいアウトオブコア実装

Maya および Houdini 用の V-Ray 6 update 2 (3Ds Max 用 は Update 2.1、SketchUpおよびRhino 用はUpdate 2.4) に V-Ray GPU 使用時にテクスチャを直接はGPUメモリに格納せず、システムメモリからロードするオプションを追加しました。

これにより、パフォーマンスに多きな影響を与えずに GPUメモリの使用量を大幅に削減できます。これは従来の「Out Of Core」のまったく新しい実装です (古い実装は非推奨となり、UI から削除されました)。この新しい機能は、GPUメモリだけではロードできない、多くの高解像度テクスチャを含む大規模なシーンをレンダリングする場合に大変役立ちます。ただし、低速なシステムメモリ使用する為、シーンのテクスチャデータが GPU のメモリに収まる場合は、直接GPUメモリを使用するのが最善です。

このオプションを使用するには、V-Ray GPUレンダリング設定>プレファレンスタブ>“Use System Memory For Textures” オプションを有効にします。 有効にすると、1 MB を超える全てのテクスチャが CPUメモリに割り当てられ、全てのレンダリング・デバイスからアクセスできるようになります。

メモ:

  • この機能は CUDAエンジンと RTXエンジンの両方でサポートされており、CUDAのハイブリッド・レンダリングでも使用できます。
  • V-Ray GPU は PCIE の帯域を使用してテクスチャデータをシステムメモリに移動する点に注意してください。PCIE 4.0/5.0 (新しい CPU およびマザーボード) の違いはレンダリングパフォーマンスにほとんど影響を与えません
  • この機能が有効になっている場合、全てのテクスチャモード (サイズ変更、圧縮など) がグレー表示される点に注意してください。

Maya版でのオプション (V-Ray 6.2 for Maya以降で確認できます)


3ds Max版でのオプション (V-Ray 6.21 for 3dsMax以降で確認できます)


SketchUp、Rhino版でのオプション (V-Ray 6.20.04 以降で確認できます)


RTX 4090 + プログレッシブモードを使用して 3 つのシーンをテストし、結果を二重チェックしました。正確な結果を保証するため。すべてのテストは少なくとも 5 分間実行されます。

最初のシーン, Winter_Apartment

  • GPUのメモリ使用量が 17 GB から 5.1 GB に削減されました
  • レンダリング時間は 655 秒、システムメモリの利用が有効な場合は 742 秒です。結果として全体的に速度が 12% 遅くなりました。

2番目のシーン, Interior_005

  • GPUのメモリ使用量が 22 GB から 4.8 GB に削減されました
  • GPUメモリ直接時のレンダリング時間は 550 秒、システムメモリの利用が有効な場合は 681 秒です。結果として全体的に速度が 23% 遅くなりました。

3番目のシーン, Forest_01

  • GPUのメモリ使用量が 16 GB から 4.9 GB に削減されました
  • GPUメモリ直接時のレンダリング時間は 371 秒、システムメモリの利用が有効な場合は 435 秒です。結果として全体的に速度が 23% 遅くなりました。

マルチGPU環境の場合、シングルGPUに比較して負荷が大きくなる可能性があることに注意してください。これは今後改善する予定です

システムメモリを使用オプションが有効になっているときのテクスチャメモリはWindows タスク マネージャー>パフォーマンス>“共有 GPU メモリ”で確認できます。

V-Ray Log では オプション有効時に OOC(アウトオブコア) としてレポートされます。

VFBの [stats] タブには、OOC に関する情報がまだ表示されないことに注意してください。これは今後改善される予定です

  • 最終更新: 2024/07/04 02:27
  • by oakcorp