ライティング
パート1: 太陽と空のシステムを使う
V-Rayの太陽と空のシステムの使い方を紹介します。太陽の色合い、影の柔らかさ、ディスクの大きさを設定する方法を実演します。どのスカイモデルが日中のシナリオに最適か、ライトスタディ中にマテリアルをオーバーライドすべきか、コンポジションにフォーカスを当てるためにシャドウを使用する方法などがわかります。
ライトの調整は細かくパラメーターを調整することがほとんどですので、その都度レンダリングを実行、停止、再実行するのは非常に手間です。なので今回もインタラクティブレンダリングを使用していきます。
これに合わせて少し設定を調整します。レンダリング設定にある「Material Override」を有効にしましょう。これを有効にすることで、すべてのマテリアルを一つのマテリアルで上書きしてレンダリングが行われます。
デフォルトでは明るめのグレーになっているので陰影がわかりやすいほか、レンダリング時に読み込むマテリアルが上書きしたマテリアル一つになることでレンダリングの処理が軽くなるなどのメリットがあります。
ただ、中にはガラスなど上書きしたくないマテリアルもあります。そのようなマテリアルは、マテリアルのパラメーターの一番下に「Can be Overridden」というオプションがあります。このチェックが外れているマテリアルはMaterial Overrideで上書きしないマテリアルとなります。
今回のデータでは、「1_Trees_Background(背景用プレーン木)」「2_Glass_Window_Neutral(家のガラス部分)」マテリアルに対し、このチェックを外して上書きしないようにします。
SketchUpでの太陽の方向や角度は、「陰」パネルの時刻、日付等の設定から変更を行うことができます。
もう一つの方法としては、アセットエディターのライトタブ内にある「Sun light」を調整する方法です。このライトはこのシーンには追加されていますが、新規作成したデータでもデフォルトで追加されています。
「Custom Orientation」有効にすると、方向角度が影パネルの情報からSunLightのパラメーターを使用して設定されるようになります。
「Horizontal Angle」で太陽の方向、「Vertical Angle」で太陽の高さ(角度)を変更できます。
それぞれの項目右側にあるグラフは連動して動作し、こちらを直接操作することでも設定が可能です。(XY方向はSketchUp内のXY座標に準じます)
Horizontal Angleを100くらいにして、カメラの裏あたりにある木の影が芝生のあたりを覆うようにしてみます。この木の影がくっきりとしているので、少し柔らかくしていきます。
「Size Multiplier」の値を大きくすることで太陽(光源)の大きさが大きくなり、影を柔らかくすることが可能です。(実際の太陽の大きさが変わることが無いように、リアルな太陽のシミュレーションからは少し離れてしまいます。あくまでも演出を行うための機能としてご使用ください)
パート2:Light Genで最高の光を見つける
最適な環境ライティングを見つけることは、反復的で常に進化するプロセスです。このパートでは、V-Rayに力仕事を任せる方法を紹介します。Light Genのセットアップ方法、ライトセットの作成方法、人工的なライトを点灯させる方法について説明します。
シーンをレンダリングするうえで様々な時間帯などのライティングでレンダリングを行いたい場合、1から設定していくのは非常に時間がかかります。そこで、「V-Ray Light Gen」というツールを使用すると様々な太陽の方向や角度でシーンに適したライティングを複数パターン生成することができます。
LightGenはツールバーのLightGenボタン(
)から起動することができます。
LightGenを起動すると、EXTERIOR(外観)またはINTERIOR(内観)シーンどちらに合わせたライトを生成するかを選択できます。今回はEXTERIORを詮索します。
Altitude Variations(高度の変化)×Azimuth Variations(方角の変化)のパターンのライトを生成します。Thumbnails Size (px)で生成されるライトのプレビューのサムネイルサイズを調整します。小さい方が生成はより早くできますがその分どのような結果になるかが見ずらくなってしまうのでお気を付けください。
これらの設定が完了したら、Generate variantsボタンで光源の生成を行います。この際、レンダリングを実行中は生成することができないのでご注意ください。
SunLightのCustomOrientationが有効になっている状態で生成されたサムネイルをダブルクリックすると、サムネイルと同じようにライトのパラメーターが変化します。
生成された結果は、「Save」ボタンから.lightset形式で保存することができ、生成前のメニューで「Load」ボタンからこのファイルを読み込むことができます。
Light SourceをHDRに変更すると、SunLightではなくLIGHT_GEN_DOMEというドームライトを作成し、そこに生成したHDRIを適用させる形でライティングが生成されます。(HDRモードはExteriaでのみ使用可能です)
デフォルトではV-Ray でプリインストールされているHDRI素材を使用しますが、Custom HDR setで.hdr、.exrが格納されたフォルダを指定することで、そのフォルダにあるHDR素材を使用しバリエーションを生成します。
Unique Styles(.hdr素材数)×Variations(バリエーション数)がGenerate Variats(生成されるライトのパターン数)となります。
パート3:夕空の作成
このパートでは、V-Ray Sun & Skyシステムを使用して夕方のシーンを設定します。美しいブルームとサン・フレア効果で鮮やかな夕焼けを作り、水平線の下に太陽をセットして夕暮れの空を作ります。
太陽や空の設定を行う前に、「Light Mix」というレンダーエレメントを追加します。
Light Mixはレンダリング後にVFB上からライトの強度や色を個々に調整することができるレンダーエレメントです。レンダリング後の細かい調整のほか、複数のライトを有効にした状態でレンダリングしLight Mixで後から無効にして様々な時間帯のシーンを作り上げることも可能など非常に便利なレンダーエレメントです。
追加するには、アセットエディターのレンダーエレメントタブ(
)を右クリックし、リストの中から「Light Mix」を選択します。
その他のレンダーエレメントについても、同じようにして追加することが可能です。
まずは太陽の方向や角度を操作して、夕方のようなシーンを作ります。
Horiontal Angleを334、Vertical Angleを5くらいにすると、ちょうど画面の右奥あたりに太陽が来るようになります。
次に、夕日をより強調させていきます。そのために、Lens Effectsというレイヤーを使用します。
Lens Effectsレイヤーは、デフォルトでも非表示の状態で追加されていますが、表示非表示を切り替えることができません。パラメーターのEnable Lens effectを有効にすることで効果が有効になり、表示非表示に切り替えもできるようになります。
Size(大きさ)、Intensity(強度)で大まかな効果のかかり方を調整できます。
サンプルデータではすでに有効になっているので、表示非表示を切り替えて効果の差を比べてみましょう。
次に、先程追加したLightMixレンダーエレメントの効果を見ていきましょう。
LightMixによる調整は「Source:」レイヤーから行うことができます。
Source:レイヤーはデフォルトでは「Source:RGB」に設定されていますが、LightMixを追加すると「Source:LightMix」に自動で切り替わります。
パラメーターにはこのデータ内に含まれるライトオブジェクトがリストアップされており、左側のチェックボックスで有効無効を、右側の数値で強度、カラーピッカーで色を変更することができます。
試しに、SunLightを無効にしてみましょう。先程までレンズエフェクトも合わさりかなり強い光を放っていた太陽の光源が、無効になったことで表示されなくなりました。
しかし、Environment(環境)として、SunLightに使用されているものと連動しているSkyテクスチャが割り当てられているので、夕方のまだ少し明るいくらいのような空を再現できます。
次に夜のような空を再現してみます。
まずは完全な日没状態にしたいので、SunLightのパラメーターからVertical Angleを0に、合わせてHorizontal Angleを118くらいにします。
レンダリング結果を見てみると日が落ちて全体的に暗くなりましたが、全体が暗すぎるが水平線のあたりがまだ明るいなどの問題もありますので、ここからLightMixで調整をしていきます。
Environmentのカラーピッカーを選択して光源の色を青っぽい色にしていきます。
この際ですが、K(ケルビン:色温度)のスライダーを利用して色を青くしていくと自然な色合いにすることができます。
これで地平戦あたりの明るさは軽減できました。
最後にEnvironmentの数値を上げて、画面全体の明るさを調整すして、夜のようなシーンを作ることができます。
パート4:夜のエクステリア人工照明
レンダリングでデザインを強調しすぎずに、夜景でデザインを際立たせる方法をお探しですか?このチュートリアルでは、夕方のHRDIドームライトを設定し、2つの人工照明テクニックを実演し、カラーバランスについて説明します。
一度レンダリングしてみると、前回のパートの最後のような設定でSunLightのパラメーターにより夜のような暗い空になっています。
今回はここにDomeLightを追加して環境光のライティングを行います。
まずはChaos Cosmosからドームライトに割り当てるHDRI素材をインポートします。CosmosのHDRIはDya(日中:明るめの時間帯)、Evening(夕方:暗めの時間帯)、Sutudio(スタジオ)の3つにカテゴライズされています。今回はEveningカテゴリにある「Sun 029」という素材を使用します。
次にドームライトツール(
)からシーンにドームライトを追加します。配置する場所による影響はないので選択しやすい場所に配置しましょう。
それぞれ、インポート、配置すると、アセットエディターのテクスチャタブ(
)にSun 029、ライトタブ(
)にDome lightが追加されています。
インポートしたHDRIをドームライトに割り当てます。
アセットエディター上にリストアップされているHDRIを右クリックしCopyを選択します。
その後、ドームライトのパラメーターでColor/Texture HDRのテクスチャスロットを右クリックしてPaste as Instanseを選択することで、デフォルトで割り当てられているテクスチャを上書きする形でテクスチャを割り当てることができます。
レンダリングをしてみると
HDRIの方向を変えたい場合は、そのままシーン上のドームライトを回転させるだけでは効果がありません。
ドームライトのパラメーター内にある「Use Transform」を有効にすることで、ドームライトのオブジェクトへの回転がライティングにも反映されるようになります。
では、家の部分にライトを追加していきます。
今回はSphere Light(
)という球状の光源を持つライトを使用していきます。
その他、インテリアリアライトなどの人口光を再現するライトとしては、「Rectangle Light 」「Spot Light」「IES Light」「Omni Light」といったものがあります。
試しに、このスフィアライトを画面手前あたりに配置して効果を見てみましょう。(画像では効果をわかりやすくするため、Intensityを初期値から3000まで上げています)
球形の光源から全方向に光が放たれていることがわかります。
この光源ですが、例えば電球のような個所に配置したり、照明機器のようなカバーを再現しているのであればこのままでも問題ないと思いますが、光源を表示させたくない場合もあります
その場合、パラメーターのOptionsの項目にある「Invisible」を有効にすることで光源オブジェクトを表示させないようにすることができます
次に、光源の色を調整していきます。
一般的な照明器具の光の色である電球色、昼白色、昼光色といった範囲での色の調整を行う場合、RGBやHSVでの色の調整ではなく、色温度:K(ケルビン)の値を調整しると、自然な照明器具の光の色で変更することができます。
今回は電球色系の光源にしていくので、2700~3000Kくらいに調整します。
先に配置したスフィアライトのの明るさでレクタングルライトの効果和がかりづらくなってしまうので、一度アセットエディターのスフィアライトのアイコンをクリック、またはパラメーターのトグルスイッチ
を切り替えてライトを無効にしておきライトの効果を確認してみます。
レクタングルライトのIntensity(強度)は12000にします。
Directionality(指向性)の値を変更することで光が均一に広がっているものが一方光に収束していきます。レンダリング結果を見ながらどのように変わるかを見ていき、最終的に0.3~0.4くらいの値にしてみます
ライトのカラーは、先程のスフィアライトとおおよそ同じくらいにしておきます。
パート5:夜間の環境照明
このエピソードでは、家の周りの環境を照らすことで、夕方のシーンに活気を与え続けます。新しい人工光源であるIESライトを使用し、エクステリアアセットに最適なライトの当て方を実演し、カオスコスモスのランタンでリアリズムの仕上げをする様子をご覧ください。
前のパートで部屋内にライトを追加したことで部屋の中と外でコントラストが強く出ています。
もちろん部屋の中を強調したいなど演出上の意図としてそのようにする場合もありますが、今回は全体的にライティングを行いたいので屋外部分にもライトを配置していきます。
このパートでは「IES Light」()
というライトを使用します。IESライトは実際の照明器具などの形状や光の強さ減衰などの配光データ(.iesファイル)を使用するライトです。
照明器具メーカーによってはホームページなどで一般公開しているところもありますので是非チェックしてみてください。
ツールなどから選択することファイル選択ウィンドウが最初に開きます。ダウンロードしたサンプルファイル内にある「Real-IES_intemediate_blurred.ies」というデータを選択します。
データを選択すると他のライトのように配置できるようになりますので家の側面、軒下あたりに配置し、下方向を向いているので回転ツールなどで向きを上向きにします。
次に、両サイドの木々にライティングをしていきます。
まずは向って右側の木に光を当てていきます。前パートでも使用したRectangle Lightを今回も使用します。
建物の正面と木の中間あたりの空中に配置します。一度地面部分で作成してから上方向に移動、木の方を向くように回転ツールを使用すると配置しやすいです。
ライトのIntensityは1000くらい、Directionalityは0.5くらいの少しスポットライトのように収束するような光源にします。
最後に、OptionsのInvisibleを有効にして、光源自体はレンダリング結果に表示されないようにしましょう。
次に奥の小屋にライトを配置します。今回はSphere Lightを配置します。
ライトのカラーは、前のパートで部屋の中に配置したライトのような暖色系の色にします。この際K(ケルビン)の値で設定を行っていたので、同じ色にする場合にはRGBと比べて設定がしやすいです。
また、カラーピッカーを右クリックして色情報をコピーす、ペーストすることも可能です。これはライトに限らずマテリアルなどでも使用することができますので覚えておくと良いでしょう。
らいとのIntensityは一旦300くらいにしておきます。ライトオブジェクトの大きさにより明るさも異なってきますが、後のパートでLight Mix要素を使用した明るさの調整を行いますので、ひとまず全体が明るくなりつつメインとなる家よりは暗いくらいの明るさに設定しておきましょう。
また、OptionsのInvisibleを有効化し光源の不可視化も忘れずにしておきます。
ランタンの光源のみでは明るさが不十分です。一応、数値を入力することでスライダーで設定可能な値以上にすることもできますが、今回はSphere Lightを同じ位置に重ねて配置する方法を使用します。
二つの箇所のライトは同じパラメーターで操作できると楽ですので、まず片方のランタンの位置にSphere Lightを配置した後、SketchUpの移動ツールを使用し移動中に一度Ctrlキーを押しすことで複製して移動することができます。 複製したライトはV-Rayのパラメーターは同じもので管理することができます。
OptionsのInvisibleを有効化し光源の不可視化も忘れずにしておきましょう。
ライトのカラーは暖色系の色を再びコピーするなどして適用します。明るさは200~300くらいの周りの草がぼんやり明るくなるくらいにします。




























